新NISAは、投資で得た利益が非課税になる、とてもおトクな制度です。
ですが、やり方を間違えると、将来の資産形成に悪影響を与えるかもしれません。
今回は、投資初心者の方に向けて「新NISAでやってはいけない3つのNG行為」をご紹介します。
新NISAで失敗する3つのNG行為とは?
新NISAで絶対にやっては行けない行為は、次の3つです。
- 短期で売買する
- 生活費をすべて突っ込む
- 銀行で口座開設する
それぞれ解説しますね。
【NG行為①】短期で売買する
なぜ短期売買がNGかというと、理由は2つです。
- 株価は誰にも予想できないから
- 複利を活かせないから
株価は誰にも予想できない
投資の名著「敗者のゲーム」のなかで、著者のチャールズ・エリスは「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければいけない」と話します。

「稲妻が輝く瞬間」とは、株価が急上昇するベストタイミングのこと!
つまり、株価が上昇する「美味しい瞬間」を逃したくないのなら、長期にわたって投資し続けなければならないということです。
市場に資産をさらし続けていれば、たとえ思考停止状態であっても、タイミングを逃すことはありません。
反対に、短期で売買を繰り返すほど、ベストタイミングを逃す可能性が高くなります。
新NISAを始めたら、あれこれ考えず、積み立てを続けることが大切です。
短期売買だと複利を活かせない



複利とは「利益が利益を生む仕組み」のことだよ!
たとえば100万円を年利5%で運用した場合、1年後は105万円になります。
では2年後はどうなるでしょう?
答えは「110万2500円」です。
なぜ2500円の上積みができたかというと、1年目の利益である5万円に5%の利息がついたからです。
ちなみに、毎月1万円をコツコツ積み立て、年利3%で運用できたと仮定すると、40年間で450万円もの利益が発生します(下図)。


このように、利益に利益が乗っかる仕組みを「複利」といい、長期になるほど効果を発揮します。
言い換えれば、短期売買を行うと、せっかくの複利の効果を活かせないということです。
【NG行為②】生活費をすべて突っ込む
基本的な考え方として、投資は余剰資金を使って行うものだからです。
手持ちのお金から以下を差し引いたものです。
- 生活費
- 生活防衛資金
- 教育や住宅購入など使いみちが決まっているお金



「生活防衛資金」とは、病気やケガ、失業、地震など不測の事態に備えるためのお金のことです。
半年から2年分くらいあると安心とされています。
新NISAをはじめて間もない頃は「投資枠を埋めたい」「早く利益を出したい」と、無理に多くのお金を投入しがちです。
ですが、すぐに辞めてしまう可能性が高いでしょう。
なぜなら、生活費が枯渇してしまうからです。
新NISAの年間投資枠は360万円
新NISAで年間に投資できる上限枠は、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて、360万円です。
1か月あたりにすると、30万円ですね。
これは、一般のサラリーマンにはほぼ不可能な数字です。
1か月に30万円もの余剰資金を作れるサラリーマンは、日本にはわずかしか存在しないためです。
少額・コツコツが王道
特に初心者のうちは、少額でもいいので毎月コツコツ継続することが大切です。
少額なら暴落してもダメージは小さいですし、定期的に積み立てることで購入価格が平準化していくからです。



これを「ドルコスト平均法」と呼びます。


株価が暴落しても「ま、いっか」くらいに思えるくらいの金額ではじめるのが、ちょうどいいです。
【NG行為③】銀行で口座開設する
新NISA口座を銀行で開設するのはおすすめしません。
理由は次の3つです。
- 手数料が高い
- 取扱商品が少ない
- 営業をかけられる
銀行は手数料が高い
理由は簡単で、人件費がかかるからです。
銀行は窓口で人が対応してくれるため、手数料に人件費が上乗せされます。
投資をするうえで、手数料を無視してはいけません。
なぜなら、手数料が利益を侵食するからです。
投資をしていると、いろんなタイミングで手数料がかかります。
- 買うとき
- 運用しているとき
- 売るとき
これらの手数料が多ければ多いほど、せっかくの利益が目減りしてしまいます。



「手数料を払う=資産を減らしている」と考えましょう!
手数料を安く抑えたいなら、ネット証券がおすすめです。
購入から売却にいたるすべてを自分で行うため、人件費がほとんど発生しないからです。
新NISA口座を開くなら「楽天証券」または「SBI証券」のどちらかでいいでしょう。
ちなみに僕は「楽天証券」を利用しています。
銀行は取り扱い商品が少ない
つみたて投資枠における取り扱い商品を比較してみましょう。
- 三菱UFJ:24本
- 楽天証券:267本
差は10倍以上で、ネット証券のほうがバリエーションが豊富なのがわかります。
「取り扱い商品が少ないほうが選びやすい」という人もいるかもしれません。
ですが、比較できる商品数が少ないということは、手数料が高い商品を掴まされる可能性があるということです。
取り扱い商品数が多いほど、比較対象が増え、より低コストの商品を選びやすいです。
銀行だと営業をかけられる
対面式の銀行だと「こんな商品はいかがでしょう?」と営業をかけられることもあります。
基本的に、銀行員がすすめてくる商品を買ってはいけません。



なぜなら銀行員と客は「利益相反関係」にあるからです。
おすすめしてくるのは、あくまで銀行側が儲かる商品。客が儲かるかどうかは関係ありません。
投資はあくまで、自分が納得した商品を買うべきです。
「銀行がおすすめしてくれたから間違いない」は思考停止で、痛い目にあうリスクがあります。
まとめ
新NISAでやってはいけないNG行為は、次の3つです。
- 短期で売買する
- 生活費をすべて突っ込む
- 銀行で口座開設する
新NISAは、長期投資を前提にした資産形成のための制度です。
長期での投資であれば、無理をして一括投資する必要はありません。
少額でもいいので、毎月コツコツと積み立てていくことが、安定した収支を得るうえで大切です。
口座を開く場合は、手数料の安いネット証券を選ぶようにしましょう。